こんにちは! ひろりんです!
当ブログのほぼ月イチ連載「ひろりんの半月板損傷日記」、今回は第5回になります!
現在、相方のぱんへいくんが奥様とスペインに旅行中のため、執筆から更新まで全部自分でやってます!
なので、なんか変なところがあったらスミマセンご容赦ください!
それでは、今日も元気に行ってみましょーう!
2月5日(火)
一晩中ぼくを苦しめていた導尿カテーテルの苦痛からやっと解放されたぼくは、いわば躁状態であった。
まるでカタルシスを感じたように、テンション爆上げであった。
ちょっと嬉しいことでも極上の喜びのように感情を体現することができた。
そのくらい、解放感でいっぱいだった。
術後の痛みはまったくといっていいほどなかった。
右脚は大きなギプスで固定されているのでまったく動かせず、そのおかげかもしれない。
身体(膝だけど)にメスを入れてもこの程度か、と思った。
というか、昨晩の導尿カテーテルの不快感があまりにも大きすぎた。
早朝、看護師さんが水分補給にとお水を持ってきてくれた。
なんてことのない水。なんなら水道水。カルキ抜いてる? コレ。
それが、一口飲んでみると、あまりの美味しさに形而上の涙が溢れてしまった。
「うめええええええええええ!!!!!!!!!!!?????」
それもそのはず、昨日はずっと絶食だったのだから。
約一日ぶりに口に含んだただの水は、それこそミルクティーのように甘く、コーヒーのように深く感じられた。
水なのに。なんなら水道水なのに。
その後、看護師さんが朝食を持ってきてくれた。
トーストとジャム、マーガリン、ヨーグルト、そして牛乳だった。
いかにも病院食というような、なんとも質素な朝食。
だが、しかし……
「ほげええええええええ!?!?!?!?うめぇえええええええええええ!?!?!?!?!?」
イッた。イッてしまった。頭おかしくなっちゃう。こんなの覚えたらダメになりゅ。
ジャムの甘さにマーガリンのアクセント、ヨーグルトの酸味と牛乳の包容力。
これぞ! これぞ完璧な朝食じゃないかあああああ!!
皆さんは理想郷・ユートピアにある樹木についてご存知だろうか。
ユートピアの樹に成る果実は、食べる人が「食べたい」と思った食べ物の味がするという。
この日に食べたトーストは、ぼくにとってユートピアの木の実のようなもの。
あまりにも美味しすぎて心がふるえてしまった。
たった一日なにも食べないだけで、こんなにも食べ物が美味しく感じられるなんて!
飽食の現代において、忘れかけていた大切なものを思い出せたような気がした。
あっという間に完食し、食後の余韻に浸るぼく。
しあわせだ。膝はこんなことになってしまったけど、ぼくは今、確かにしあわせだ。
しかしぼくはまだ知らなかった。
このあとに待ち受ける、点滴注射地獄のことを……。
~続く~