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半月板を損傷し、縫合手術を受けて2年半が経ったので、入院生活やリハビリの体験談などをまとめてみた

半月板損傷についてまとめ
こんにちは、ひろりんです!
 
突然ですが、当ブログにはかつて「ひろりんの半月板損傷日記」という連載企画がありました。
 
ひろりんの半月板損傷日記① ~それはある朝、突然に~
 
今からちょうど2年半前くらいに、自宅でベッドから起きようと布団を勢いよく蹴り飛ばしたところ、右膝外側半月板損傷になってしまったことから始まったこの連載。
 
当時は結構反響がありまして、見てくださる方もたくさんいたのですが……
 
書いていた本人が飽きて、打ち切りになりました。(ひでえ)
 
このほかにも当ブログで数々の連載を立ち上げては打ち切りにしてきたぼくですが、この「ひろりんんの半月板損傷日記」だけはなぜか未だに多数のアクセスをいただいています。
 
それだけ、この怪我に悩まされている方が多いのかなと感じています。
 
個人のnoteのほうでは術後約1年が経った時にそれまでの経過を記事にしたのですが、当ブログでは未だ連載は途中で放置したままなので、今回はぼくの半月板損傷について、総括的な記事を書いていこうと思います!
 

目次

 

半月板損傷とは

まずはじめに、そもそも半月板損傷とは何なのか?ということについて説明します。
 
ぼくたちの膝関節のなかには、骨の表面のツルツルした硝子軟骨と、三日月型の半月板(線維軟骨)の2種類があります。
 
半月板とは、膝関節の内側と外側にあるC型をした板状の組織のことで、衝撃吸収と膝関節を安定化する機能があります。
 
半月板損傷とは、この半月板が何らかの原因で断裂(損傷)すること。
 
原因としては、スポーツで膝をねじるなどの外傷による断裂と、加齢に伴う変性で起こる断裂があります。

ぼくが半月板を損傷したきっかけ

先ほどにも書いたように、スポーツとは縁遠い人生を送ってきたぼくですが、2019年1月末のとある朝、ベッドから起きようと布団を勢いよく蹴り飛ばした時に、右膝外側半月板を損傷してしまいました。
 
ものすごい激痛が走り、膝が外れたような感覚だったので、はじめは脱臼してしまったのだと思いました。
 
本当に洒落にならない、耐えられないくらい強い痛みだったので、急いで実家の父に電話して車を出してもらい病院へ。
 
MRIを撮ることになり、そこで半月板損傷と診断されました。
 
この時のMRI検査は地獄でしたね。痛すぎて足が伸ばせない・曲げられないのに、無理矢理伸ばして装具をはめて、30分間仰向けでジッとしていなければいけませんでした。
 
検査中は絶対に動いてはいけないので、痛みをひたすら我慢し続ける、拷問のような時間でした。

部分切除術と縫合術

半月板は、周辺部の10~25%までしか血行がなく、それ以外の部位の損傷は自然に治癒しないため、多くの場合、外科手術が必要となります。
 
手術は、関節鏡下におこない、「部分切除術」または「縫合術」、あるいはこれら2つの手技を組み合わせて手術します。

部分切除術

小さな断裂や治癒しない部位の断裂では、その部分のみを切除します。
 
半月板の手術のほとんどがこの部分切除術で、理由はほぼ自然治癒が見込めない部位であるためです。
 
術後の痛みはそれほどなく、手術翌日から松葉杖で歩き出せて、短期間で退院することができます。
 
しかし、半月板を取ってしまうため、将来的に変形性膝関節症などを発症するリスクを伴います。

縫合術

損傷箇所が治癒する可能性のある部位の場合は、その断裂部を縫合します。
 
縫合術は、「半月板って、どうやらくっつくこともあるらしい」ということが近年判明し、実施されるようになりました。
 
血行のある部位の断裂にしか適用されないため、ケースとしては少なめ。
 
術後はやや痛みがあり、ギプスによる固定、免荷(体重をかけないようにすること)、長期間の入院が必要など、部分切除術に比べてしんどいことが多いです。
 
代わりに、うまくいけば損傷した半月板が元通りにくっつくため、将来的なリスクは軽減できます。

ぼくが受けた手術

ぼくの右膝外側半月板損傷は、縫合術にて手術していただきました。
 
当初は部分切除術をおこなう予定だったのですが、いざ膝を開けてみると、半月板が根元のほうからブチッと切れていたそうで、根元付近には血行があるため、縫合すれば自然治癒する可能性があると判断していただいたようです(その時、ぼくは全身麻酔で眠っていました)。
 
部分切除術なら半時間ほどで終わるのですが、縫合術の場合は1時間半~2時間ほどかかり、なかなかの長丁場。
 
半月板の手術が得意な、腕のいい外科医の先生にやってもらえたのが幸いでした。
 
生まれてはじめての全身麻酔でしたが、眠りに落ちるまであっという間で、麻酔に抗うことすらできませんでした。
 
否応なしに意識を闇に引きずり込まれる感覚とでもいうのでしょうか、あれは貴重な体験でしたね。
 
目が覚めると、ぼくは病室で、手術をした右脚には大きなギプスが装着されており、陰部に尿道カテーテルが挿入されていました。
 
このカテーテルがとてもつらかった……。(声を大にして言いたい笑)
 
麻酔が切れてくるにしたがって痛みが増してくるのですが、尿が垂れ流しになっているので、陰部に周期的にじゅん……じゅん……と波打つような痛みがあり、朝まで一睡もできませんでした。
 
翌朝、カテーテルを抜去される時も、カテーテルと粘膜が摩擦でこすれるので結構痛かったのですが、それまで感じていた痛みに比べると圧倒的にマシだったので、なんとか乗り越えることができました。

入院生活の体験談

それから、ぼくは2週間ほど入院することになりました。
 
入院中は松葉杖を使って移動するのですが、右脚に大きなギプスがついているので思うように動けず、トイレに行くのも必死でした。
 
また、夜中は尿瓶に用を足さざるをえず、巡回の看護師さんに回収されるのが恥ずかしくてたまらなかったです。
 
お風呂には一週間くらい入れず、その間は看護師さんによる清拭で身体を綺麗にしてもらっていました。
 
どうしても髪だけは洗えないので油っぽくなり、気持ちが悪かったのを覚えています。
 
入浴の許可が降りると、介護補助のスタッフさんに介助されながら入浴することになるのですが、若い女性の方だったので、全裸の自分がこれまた恥ずかしかったです。
 
また、毎食後に感染症予防の抗生物質や痛み止めのロキソニン、胃薬など気が滅入る量の薬を飲むことになるのですが、これが地味につらくって、特にぼくは嘔吐反射が強く、錠剤を飲むのが苦手なので苦労しました。
 
毎日朝夕にある検温と点滴も嫌で、もともと注射はキライなほうなのですが(というか、注射が好きな人なんてなかなかいないでしょう)、こうも毎日ブスブスと刺されると気がおかしくなりそうでした。
 
もちろんリハビリも毎日あって、病棟内を松葉杖で一周したり、階段を昇り降りしたり、脚を曲げ伸ばししたり、徐々に体重をかけていったりということを、理学療法士さんについてもらって一生懸命やりました。
 
こんなので本当に歩けるようになるのか……? と半信半疑でしたが、現に今、ちゃんと歩けているので、リハビリってすごいなと思います。
 
あと、ぼくの病室は4人部屋だったのですが、他のベッドのおじさんたちがしょっちゅう放屁したり、医師や他の患者さんの悪口を言い合ったりしているのが本当に苦痛でした。
 
注射やリハビリより、これが一番きつかったかもしれません……狭い部屋なので嫌でも耳に入ってくるため、イヤホンをつけて音楽を聴いたり、ゲームをしたりして気を紛らわせていました。
 
そんなしんどいことばかりの入院生活でしたが、唯一の楽しみは仕事終わりの妻が毎晩面会にきてくれることでした。
 
妻は2週間ほぼ毎日欠かさずに会いに来てくれて、面会時間の終わりまでずっとそばにいてくれました。つらいことは全部、彼女のおかげで乗り越えられたようなものです。
 
家族や友人、職場の方も、代わる代わるお見舞いにきてくれました。
 
ぼくは自分を人間関係が希薄なタイプだと思っていたのですが、全然そんなことはなかったです。入院してはじめて、人のありがたみがわかりました。

完治

退院してからも、しばらくは月に一度のペースで通院する日々が続きました。
 
それが次第に二ヶ月に一度、三ヶ月に一度という具合に間隔が空いていき、手術から約1年後の診察をもって、執刀してくださった医師から、縫合した半月板が完全に癒合しているとの診断をいただきました。
 
ひゃっほーい! 完治だ!!!
 
ですが、油断は禁物で、くっついた半月板は損傷する前に比べて強度が劣るため、将来的に再断裂してしまう可能性もあるとのこと。
 
実際、半月板縫合術をおこなった人のうち、約30%が10年以内に再断裂しているようです。
 
もっとも、半月板を損傷するのはスポーツ選手や運動をしている人が多く、そういった方々は術後にも競技を再開するため、それで再断裂のリスクが高くなるのだと思います。
 
なので、ぼくのように日頃激しく身体を動かす機会が少ない人は、よほどの無茶をしないかぎり再断裂の可能性は低いのではないかと思います(というか、そう信じたいです)。
 
手術から2年半が経った現在、お陰様で日常生活に支障がないレベルにまで快復することができたので、これからも膝に気をつけて、安全第一で暮らしていこうと思っています。
 
 
先日も、妻とふたりで地元の山を一時間以上かけて散歩(半ば登山)してきました。急勾配が多く、結構がっつりと歩きまくりましたが、膝は全然大丈夫です!
 
いま半月板損傷で苦しんでいる方がいましたら、ぼくでよければ話を聞くぐらいはできますので、ぜひお気軽にコメントくださいね。
 
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!
 
また次回の記事でお会いしましょう!
 
 
★余談ですが、入院中は武田一義さんの「さよならタマちゃん」という本を読んで元気をもらっていました。本当に素晴らしい本ですので、ぜひチェックしてみてください!
 
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